直列2気筒(270度クランク)エンジンの慣性力・偶力
概要
本ページはHTML5でSVGを使用しています。閲覧には、対応したブラウザを使用してください。
JavaScriptでエンジンの各図を動かしていますので、JavaScriptが動作するようにしてください。
以下の直列2気筒4ストロークエンジンについて慣性力及び慣性偶力を解析する。
シリンダは前から1,2の順番である。
前から見るとエンジンは右回転である。
点火順序は 1-2 とする。
点火間隔は270度 450度・・・であり等間隔でない。
クランクピンの配置は、下図のとおりである。
角度を入力して指定角度をクリックすると横断図及び右側面図が変化します。
自動回転をクリックするとエンジンが回転します。回転を止めるにはSTOPをクリックします。
※θはクランクシャフトを中心とし鉛直方向とクランクピンに挟まれた右回りの角度である。
各シリンダー横断図・右側面図
特徴
自動車では採用されないが、バイクでは、ヤマハ XSR700 やホンダNC750で採用されている。
| バイク |
XSR700 |
NC750 |
| 種類 |
水冷直列2気筒 |
| ボア×ストローク |
80×68.5 |
77×80 |
| 排気量 |
683 |
745 |
| 馬力 |
54Kw /9000rpm |
40Kw /6250rpm |
| トルク |
68N・m/6500rpm |
68N・m/4750rpm |
各気筒の行程
下図は青が吸気バルブが開いている期間、赤が排気バルブが開いている期間を示している。グラフの左側の数字はシリンダ番号を示している。
1次慣性力
エンジンが1回転に1回発生する成分で、
![cos \theta]()
に係数を乗じたものである。
各気筒を合成した慣性力は下式となる。
![\cos \theta +\cos (\theta - \frac{3} {2}\pi)]()
以下の和積の公式を使用して、上式を変形する。
実際の慣性偶力の値は、以下のとおりである。
![F=\frac{1}{\sqrt 2} M \omega^2 s \cos (\theta - \frac{3} {4} \pi)]()
M:往復質量/気筒 S:ストローク
ω:角速度 πn/30
n:エンジン回転数 rpm
2次慣性力
4次慣性力
エンジンが1回転に4回発生する成分で、
![cos 4 \theta]()
に係数を乗じたものである。
各気筒を合成した慣性力は下式となる。
![\cos 4 \theta+\cos 4(\theta - \frac{3}{2} \pi)= \cos 4 \theta+\cos
( 4 \theta -6 \pi)=2 \cos 4 \theta]()
以上の結果より4次慣性力は単気筒の2倍となる。
実際の慣性力の値は、以下のとおりである。
![\displaystyle F=-M \omega^2 S (\frac{1}{32 \lambda^3}+\frac{3}{1024 \lambda^5})\cos 4 \theta]()
M:往復質量/気筒 S:ストローク ω:角速度 πn/30
n:エンジン回転数 rpm
6次慣性力
エンジンが1回転に6回発生する成分で、
![cos 6\theta]()
に係数を乗じたものである。
各気筒を合成した慣性力は下式となる。
![\cos 6 \theta+\cos 6(\theta - \frac{3}{2} \pi)=\cos 6 \theta+\cos (6 \theta - 9 \pi)=2 \cos 6 \theta]()
以上の結果より6次慣性力は単気筒の2倍となる。
実際の慣性力の値は、以下のとおりである。
![\displaystyle F=M \omega^2 S \frac{9}{4096 \lambda^5}\cos 6 \theta]()
M:往復質量/気筒 S:ストローク ω:角速度 πn/30
n:エンジン回転数 rpm
1次慣性偶力
1気筒と2気筒の中間をエンジンの中心とする。
2気筒目は、1気筒目に対して逆方向なので、距離はマイナス表記にする。
鉛直方向の上を+方向とする。
モーメントは、力×距離なので、ボアピッチをaとすると
各気筒のモーメントを合成すると下式となる。
![\displaystyle =-a \sqrt 2 \sin (\theta-\frac{3}{4} \pi )]()
上記の式よりエンジンの回転に合わせてエンジン前後が上がり下がりすることがわかる。
実際の慣性偶力の値は、以下のとおりである。
![\displaystyle M \omega^2 \frac{S}{2} a \frac{1}{\sqrt 2} \sin (\theta-\frac{3}{4} \pi )]()
M:往復質量/気筒 S:ストローク
ω:角速度 πn/30
n:エンジン回転数 rpm
2次慣性偶力
1気筒と2気筒の中間をエンジンの中心とする。
2気筒目は、1気筒目に対して逆方向なので、距離はマイナス表記にする。
鉛直方向の上を+方向とする。
モーメントは、力×距離なので、ボアピッチをaとすると
![\displaystyle =a \sin (2 \theta-\frac{3}{2} \pi )]()
上記の式よりエンジンの回転に合わせてエンジン前後が2倍の周期で上がり下がりすることがわかる。
実際の慣性偶力の値は、以下のとおりである。
![\displaystyle -M \omega^2 \frac{S}{2} (\frac{1}{2 \lambda} + \frac{1}{64 \lambda^3}+\frac{15}{4096 \lambda^5}) a \sin (2 \theta-\frac{3}{2} \pi )]()
M:往復質量/気筒 S:ストローク
ω:角速度 πn/30
n:エンジン回転数 rpm