LC発振回路

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初版 2013/10/27
文章の訂正 2013/10/28

コルピッツ発振回路

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ハートレー発振回路

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負性抵抗の周波数特性

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水晶発振回路を例に検討する。
水晶発振回路を簡略化して表すと上図の様になる。
水晶直列抵抗の損失を負性抵抗-Rで帳消しにしています。
発振が持続するには、
j \omega L = - j \omega C
Re=| R |
発振が立ちあがるには
5Re <| R |
たとえばエミッタ接地回路でベース電圧に対してコレクタ電圧は逆相となります。コレクタに負荷を接続するとコレクタ電圧の低下に伴い負荷電流も低下します。入力電圧が増えて電流が減るということはベースとコレクタ間に負性抵抗が発生することになります。
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上図回路のインピーダンスは電流を1とするとZ1に発生する電圧eiがZ1となりFETのドレイン電流はZ1*gmとなる。このときのZ3の電圧は、-Z3*gm*Z1となります。
Z=Z1-Z1 \cdot Z3 \cdot gm
同様にコルピッツ回路について解くと
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\displaystyle Z=\frac{Vi}{Ii}=\frac{1}{j \omega Cg}+\frac{1}{j \omega Cd}(1+\frac{-gm}{j \omega cg})
上式の近似式として下式が作成できます。
\displaystyle
式より高域ほどCg・Cdのインピーダンスが小さくなるため、急激に負性抵抗が小さくなります。下図の曲線A
上式では、DCまで負性抵抗が上昇する結果となっていますが、実際は低域でフィードバック抵抗Rfと負荷容量CLの影響が無視できなくなりある周波数を境に急激に低下し負から正に転じます。下図の青線
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\displaystyle \frac{1}{Z} = \frac{1}{Rf} - \frac{\omega ^2 Cg \cdot Cd}{gm}
負のインピーダンスが正になるには、右辺の第1項と第2項が等しくなったときなので、
\displaystyle \frac{1}{Rf} = \frac{\omega ^2 Cg \cdot Cd}{gm}
ωについて解くと
\displaystyle \omega = \sqrt {\frac{ gm } { Rf \cdot Cg \cdot Cd} }
ω=2πfより
\displaystyle fc = \frac{1}{2 \pi} \sqrt {\frac{ gm } { Rf \cdot Cg \cdot Cd} }
Cg=Cdならば、
\displaystyle fc = \frac{1}{2 \pi Cg} \sqrt {\frac{ gm } { Rf } }
発振余裕度はCg・Cd及びRf又はgmの影響を受ける。発振させたい周波数及び水晶振動子などの直列抵抗に応じて適切な値にする必要がある。
変化させる要素
Cg=Cd A曲線は2乗分、左へ移動
fcは比例して大きくなる
A曲線は2乗分、右へ移動
fcは比例して小さくなる
Rf fcは1/2乗に比例して大きくなる。 fcは1/2乗に比例して小さくなる。
gm A曲線は比例分 左へ移動
fcは1/2乗に比例して大きくなる。
A曲線は比例分 右へ移動
fcは1/2乗に比例して小さくなる。